東日本大震災から10年が経過した今、震災を経験していない世代が増え、震災の記憶の風化が懸念されるなかで、震災当時の状況や教訓、復興の足跡を後世へと継承していく活動がますます重要となっています。
野田村では震災伝承の基本方針に基づき、
震災伝承アーカイブ事業に取り組んでいます。
野田村の被害状況
平成23年3月11日14時46分、宮城県牡鹿半島の東南東約130km付近、深さ約24kmを震源とするマグニチュード9.0、最大震度7の巨大地震が発生した。野田村は震度5弱を記録し、最大約18mの津波が襲来、津波の最大遡上到達高は37.8mに及んだ。村内の約3分の1にあたる515棟の住家が被害を受け、37名の尊い生命が犠牲となった。
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震災伝承施設の紹介
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野田村復興展示室
のだむらふっこうてんじしつ
東日本大震災大津波により全壊し、平成29年に再建した保健センターの3階に整備しました。震災による被害状況や教訓、復興の足跡を将来に語り継ぐための展示施設です。被災から復興までの様子を、映像やパネルで紹介しています。また、心の復興支援活動の一環でもあった村のジオラマ模型(被災前)は、住民それぞれの思い出の野田村を描いています。保健センター外観には、震災津波浸水位を表示しています。
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米田歩道橋の一部
まいたほどうきょうのいちぶ
防潮堤を兼ねた一般国道45号の水門部に架設されていた米田川を渡る歩道橋の一部。東日本大震災大津波により破壊・流失しました。歩道橋下部は引き波により海側へ曲がっているなど、津波の脅威を知ることができます。米田地区では、村内の津波遡上最高到達点37.8mを記録。水門の屋根が破壊され、海岸近くの山肌がえぐられるなど、想像を超える高さの津波だったことが分かります。
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東日本大震災大津波記念碑
ひがしにほんだいしんさいおおつなみきねんひ
東日本大震災大津波により本村では37人が犠牲となりました。津波被害を防ぐ思想・文化が村民の心に醸成され、将来に語り継がれることを祈念して、十府ヶ浦公園展望・休憩エリアに東日本大震災大津波記念碑を建立しました。過去の教訓とともに、命を守る行動が後世へ末永く伝承されることを願っています。
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米田水門
まいたすいもん
海岸保全施設として整備された米田水門は、東日本大震災により被災。大津波は水門最上部まで到達しました。破損した状態での屋根部の保存と津波到達高「22.5m」の表示により、津波の記録と脅威を後世に伝える役割を果たしています。
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旧下安家地区応急仮設住宅
きゅうしもあっかちくおうきゅうかせつじゅうたく
東日本大震災大津波により本村では311戸の全壊を含め515戸の住家被害(村内の約1/3)を受けました。被災者の生活再建に至るまでの住居として、村内5ヵ所に応急仮設住宅を設置しました。このうち、下安家地区の応急仮設住宅については県から譲渡を受け、震災の体験や教訓を語り継ぐための震災伝承施設として展示保存しています。(写真:H23.6.30撮影)
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愛宕参道大鳥居
あたごさんどうおおとりい
平成13年8月に野田村の新たなシンボルとして中心地に建設された愛宕参道大鳥居。東日本大震災の際は、大津波によって壊された住家等が流れ重なり、人の手が届かない高さまで傷が付き、亀裂が入るなどの被害を受けましたが、平成26年に補修・塗装工事が行われ、鮮やかな朱色が蘇りました。現在は、大鳥居付近に震災前後の街並み写真パネルを設置することにより、津波の記録と脅威を後世に伝える役割を果たしています。(写真:H23.3.12撮影)
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奇跡の東屋
きせきのあずまや
平成6年に十府ヶ浦海浜の森(前浜地区)に設置した東屋は、海岸周囲を見渡すことのできる展望施設として親しまれてきました。東日本大震災の際は、大津波の襲来を受け一部破損しましたが、流失することなく残りました。大津波を耐え抜いて佇む姿は、村民に勇気と希望を与え、奇跡の東屋として報道されました。現在も、震災後の姿を保ちながら、復旧・復興した街並みや防潮堤、海浜の森エリアを見守るとともに、津波の記録と脅威を後世に伝える役割を果たしています。(写真:H23.3.11撮影)
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役場前の被災時計
やくばまえのひさいとけい
昭和60年8月に完成した現在の役場庁舎、その前に設置した時計は、東日本大震災の大津波と、それによって壊され押し寄せた住家の一部等により、傷つき、支柱が傾きましたが、流出することなく残りました。大津波を耐え抜き、なお時を刻み続ける姿は、村民はもとより救助や支援活動にあたる皆様を励ます力となりました。現在も、震災後の姿を保ちながら動き、時刻を知らせ続けるとともに、津波の記録と脅威を後世に伝える役割を果たしています。震災後に入庁した職員に対する震災伝承の役割も担っています。(写真:H23.3.12撮影)
震災伝承ネットワーク協議会が定める震災伝承施設のピクトグラム(標章)です。
復旧・復興のあゆみ
■ 平成23年 | |
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3.11 | 東日本大震災発生 |
3.12 | 村内11カ所の避難所に912人が避難 |
3.13 | 津波注意報解除 |
3.21 | 野田小学校と野田中学校で卒業式 |
3.25 | 野田村保育所で卒園式 |
3.28 | 行方不明者の捜索完了 |
4.2 | 村内全域の電話復旧 |
4.8 | 仮設住宅の建設着手 |
4.10 | 国道45号全線通行可能 |
4.11 | 鳩山首相らが野田村へ来村 |
4.17 | 村東日本大震災慰霊祭・合同葬儀 |
4.21 | 都市再生機構から野田村に職員派遣開始(~H24.6.30) |
5.2 | 第1回 野田村東日本大震災津波復興本部会議 [被害概況の報告] |
5.9 | 中学校応急仮設住宅の完成 |
5.12,16 | 野田村復興計画にかかる住民懇談会 |
5.14 | 中学校応急仮設住宅の入居 |
5.27 | 第2回 野田村東日本大震災津波復興本部会議 [復興基本方針の決定] |
6.17 | 村民アンケートの実施 |
6.21 | 村民アンケート(中高生)の実施 |
6.23 | 第1回 復興計画策定委員会 |
6.29~30 | 応急仮設住宅の完成 |
7.3 | 全11カ所の避難所閉鎖 |
7.6 | 野田漁港市場仮復旧 |
7.31 | 体育館での支援物資配布が終了 |
8.26 | チーム北リアスが現地事務所で活動開始 |
9.20~30 | 復興に係る住民懇談会 |
9.26 | 岩手県による計画堤防高さの公表 |
10.12 | 下安家漁港で生産活動が始まる |
10.20 | 自営定置網の初網起こし |
11.6 | 仮設店舗オープン |
11.7 | 第4回 野田村東日本大震災津波復興本部会議 [津波復興計画の策定] |
■ 平成24年 | |
4.2 | 防災集団移転促進事業(城内・米田南浜地区)計画承認 |
5.31 | 被災した水田で田植えが始まる |
6.28 | 災害ゴミ中間処理施設の完成(米田地区) |
7.14 | 村漁協所有の第二十八浜山丸竣工 |
7.23 | 久慈工業高校でワークショップの開催 |
7.26 | 三陸沿岸道路用地杭設置式 |
8.6 | おしかわ内科クリニック再建 |
8.10 | 避難行動に関するアンケート調査、 震災後の生活に関するアンケート調査 |
8.23 | 都市公園を考えるワークショップin野田中学校 |
8.29 | 都市公園を考えるワークショップin野田小学校 |
9.11 | 第1回 21世紀むらづくり委員会開催 |
9.24 | 災害危険区域の指定(76.2ha) |
10.17 | 城内地区被災市街地復興土地区画整理事業 都市計画決定 |
10.21 | 第1回 復興むらづくり若手座談会 |
11.1 | 野田村保育所の開所 |
11.3~4 | 第48回 野田村文化祭での復興模型展示、意見収集 |
11.29 | 城内地区地域づくり協議会設立 |
■ 平成25年 | |
1.9 | 都市公園事業 都市計画決定・告示 |
1.9 | 復興まちづくりコーナー開設 |
1.29 | 県内初の防災集団移転促進事業が着工 |
2.1 | 城内地区被災市街地復興土地区画整理事業の認可・告示 |
3.15 | 都市公園事業 事業認可 |
4.1 | 災害公営住宅(門前小路第1団地)入居開始 |
4.1 | 野田村復興むらづくり計画と津波防災マップの策定 |
8.6 | 都市公園整備工事の着手(安全祈願祭) |
8.6 | 常陸宮同妃両殿下 野田村視察 |
10.31 | 城内地区土地区画整理事業 (県内初の仮換地指定後)の工事着手 |
■ 平成26年 | |
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1.30 | 米田地区高台団地・南浜地区高台団地宅地分譲の開始 |
2.1 | 災害公営住宅(門前小路第2団地)入居開始 |
4.6 | 三陸鉄道全線運行再開 |
4.27 | 安倍首相、野田村視察 |
5.31 | がれき処理完了 |
7.7 | 荒海団結成 |
8.1 | 災害公営住宅(南浜住宅・下安家住宅)入居開始 |
10.21 | 久慈工業高校2年生による都市公園工作物の製作 |
11.23 | 南浜地区コミュニティセンター竣工 |
■ 平成27年 | |
1.22 | 城内地区地域づくり協議会まちなみ発表会 城内地区地域再生計画策定 |
3.29 | 城内地区高台造成工事の完了(竣工式) |
4.5 | 城内地区高台団地宅地分譲の開始 |
4.16 | 災害公営住宅(本町、旭町住宅)入居開始 |
8.3 | みちのく潮風トレイル野田村コース開通 |
10.1 | 津波・土砂防災マップ策定 |
12.13 | 下安家地区コミュニティセンター竣工式 |
12.14 | 野田村リメンバーホープビレッジねま~る開所 |
■ 平成28年 | |
4.1 | 災害公営住宅(新町住宅)入居開始 |
8.10 | 久慈消防署野田分署落成 |
8.30 | 台風10号被害の発生 |
10.8 | 瑤子女王殿下 野田村視察 |
■ 平成29年 | |
3.25 | 三陸鉄道十府ヶ浦海岸駅開業 |
6.11 | 城内地区土地区画整理事業・都市公園事業竣工式 |
11.10 | 岩手野田村荒海ホタテGI(国の地理的表示保護制度)登録 |
11.17 | 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会 復興「ありがとう」ホストタウン登録(台湾) |
■ 平成30年 | |
1.15 | 地域の未来創造と産業振興に関する連携協定調印式 (株式会社ベアレン醸造所) |
2.11 | 大阪大学オムニサイト(OOS)協定調印式 |
3.11 | 東日本大震災大津波記念碑建立(除幕式) |
6.17 | 野田はまなす会創立30周年記念祝賀会 |
9.20~30 | 北海道胆振東部地震災害派遣(安平町・職員2名) |
9.25 | 涼海の丘ワイナリー醸造開始式 |
10.2 | なもみビール発表会 |
■ 平成31年〜令和元年 | |
2.6 | 再生可能エネルギーに関する連携協定締結 (北岩手9市町村・横浜市) |
10.12 | 台風19号被害の発生 |
■ 令和2年 | |
2.18 | 北岩手循環共生圏結成式 |
4.16 | 新型コロナウイルス感染症に係る緊急事態宣言(全国) |
■ 令和3年 | |
3.11 | 東日本大震災発生から10年 |
6.16 | 東京2020オリンピック聖火リレー(ほたてんぼうだい~村民広場) |
8.12 | 東京2020パラリンピック聖火フェスティバル「のだ復興の火」採火式 |
12.18 | 三陸沿岸道路全線(野田IC)開通 |